インド人とのITプロジェクトで注意すべき3つのポイント

1.外国人とのプロジェクトって大変
と思う事。みなさんもあるのではないでしょか?
私も初めてインド人とプロジェクトを実施した時はそう思う事が多かったです。
2.初めてのインド人とのプロジェクト
私が初めてインド人とプロジェクトを実施する事になったのは今から15年ほど前にさかのぼります。
ある金融機関の新システムとして、インドのパッケージが採用されたのがはじまりでした。
私はそのプロジェクトやその後のインド人との複数のプロジェクトで、日本のベンダーとの違いをまざまざと実感する事になったのです。
3.インドベンダーの特徴
私が様々なプロジェクトで感じたインド人ベンダーの特徴は以下の3つです。
①議論と主張が強い
とにかくインド人は議論が好きです。まず、打合せやディスカッションで直面するのは、日本人よりはるかにバックグラウンドや目的、なぜ、それろやりたいのかという事をしつこく聞いてくるのと、自分のやりたくない事、自分の意見を押しとおすために全力を尽くしてくるところです。
日本人のように落とし所を探る事を、インド人はあまりしてきません。
スタンフォードのような有名大学のディスカッションにおいてもインド人が最後まで残る事が多いと聞くぐらい、インド人は議論が好きなのです。
②スケジュールが変わるのは当たりまえ
インドベンダーのWBSやスケジュールは日常茶飯事に遅延が発生し、すぐ、スケジュール変更がなされます。
日本のベンダーはスケジュールを守るために残業したりリソースを追加したり、その他のあらゆる手段を使って、スケジュール遅延を起こさないようにする事が多いと思いますが、インドのベンダーはそうではありません。
インド人も働き者が多いので、残業等はしますが、スケジュール遅延は天災と同じような変動要素と考え、スケジュールは常に変わる傾向があります。
当初決めたものを遵守する事が難しい一方で、変更に対応する柔軟性は比較的高いと私は感じています。
③テストの品質は日本ベンダーと比べると悪い
これは別にインド人だけではなく日本以外の多くの国に見られる傾向ですが、ホワイトボックステスト、ブラックボックステストともに、全てのテストケースを網羅し、発生した不具合の分析をし、必要な品質強化をした上で、納品してくるようなケースは、海外のベンダーにはありません。
自分でテストケースを作るのも苦手なのか、顧客にテストケースと期待値を求めてくるケースも多々あります。
納品された開発物を受け入れテストをするとまずはエラーでこけるみたいな事も多々発生します。
4.注意すべき3つのポイント
上記3のインドベンダーの特徴を踏まえてプロジェクトで注意すべきポイントは以下の3つです。
①ベンダーに提示するドキュメント(要件や依頼を含)はできるだけ詳細なものを提示する
インド人だけでなく多くの国のベンダーにいえますが、基本的に日本と違って要件は顧客が提示するのが普通です。
また、海外のベンダーはヒアリングしてもれなくシステムを作るというよりは言われたものを作るという傾向が強いので、要件はもれなく、かつ全てのパターンを網羅して詳細に提示しないと言われてない事は対応されなくなってしまいます。
また、依頼事項や要求等については、背景や目的をしっかりと示した上で、少しでもコミュニケーションギャップを少なくし、想定したものや作業と異なるものが出てくる事を防ぐようにする工夫が必要となります。
②都度、こまめにチェックや確認を行う
上記①の対応をできるだけ行っても、自分達の都合や事情にあわせてこちらの想定していない方向にずれていたり、優先度が変わっていたり、出てきたものが全然異なったりする事が多々ありますので、こまめに都度チェック、確認を行い、ずれが生じてないか、問題が発生してないかを確認する事が必要です。
③特徴を踏まえたフィージビリティのある対応をとる
上記①、②を行ってもそれでもスケジュールの遅延や日本品質をインドベンダーにゆだねる事はなかなか難しいし、文化の違いも大きく影響している部分もあるため、以下のような特徴を踏まえた対応をとっておく事が必要となります。
途中でスケジュール遅延や品質問題が発生し、計画が変更となった場合はトラブルとなりますが、最初から以下を踏まえた計画としていればそれはトラブルという扱いにはならないはずです。
✅インドベンダーのスケジュール変更を踏まえた、余裕期間を持ったフィージビリティのある予算とスケジュールにしておく。
✅品質は問題が発生する事を想定し、上流工程での品質作り込みを極限まで求めるのではなく、テスト工程で討ち取る事を前提とした予算と計画にしておく。
今回はここまでとしたいと思います。
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