ベトナム人とのITプロジェクトで注意すべき3つのポイント

1.外国人とのプロジェクトって大変
と思う事。みなさんもあるのではないでしょか?
私も初めて外国人とのプロジェクトを実施した時はそう思う事が多かったですし、今でも、思う事は多々あります。
ただ、私は外国人とプロジェクトを行う事は嫌いではありません。
そのような経験を通して、各国の考え方の違いや学ぶ事もたくさんありますし、新たなアイデアの発想につながる事もたくさんあるからです。
2.初めてのベトナム人とのプロジェクト
私が初めてベトナム人とプロジェクトを実施する事になったのは今から5年ほど前にさかのぼります。
あるお客さまと海外パッケージ製品を導入する事になったのですが、本パッケージに関する知識や経験を有するメンバーが、自社にも日本の提携会社にもほとんどいなかったのです。
私は、会社の上司や同僚、提携会社との契約を担当する部署や、自分とつながりのある人達を辿って、知見のある会社を探した結果、たどり着いたのが、ベトナムに本社を置く、90%以上がベトナム人のグローバルカンパニーだったのです。
3.ベトナムベンダーの3つの特徴
もちろん、日本人同様、国籍が同じだからと言って、みんなが同じわけではありません。個人のパーソナリティや考え方によって、一人一人は異なりますが、ここでは私が感じた、ベトナム人一般に通用するような考え方について話をしたいと思います。
私が様々なプロジェクトで感じたベトナム人ベンダーの特徴は以下の3つです。
①がちがちのルールに縛られるのは慣れていない
日本人でも嫌な人は多いと思いますが、ベトナム人は基本的に成果主義です。
成果さえ上げてれば、勤務時間(何時から何時まで働く)、昼休み、残業時間等について厳密な管理はされたくない人が非常に多いです。
最近はフレックスの導入やリモートワーク等の採用により、厳密な勤怠管理を行う事は少なくなってきているとは思いますが、ベトナム人と仕事をする時にはこのようなカルチャーの違いをしっかり認識した上で、勤務時間等を厳密に問いたいのであれば、日本の会社の考え方やなぜそれが必要なのかを、しっかりコミュニケーションをとって説明するようにしましょう。
②やっぱり日本のシステム開発管理の考え方とは異なる。
ベトナムベンダーのWBSやスケジュールは日常茶飯事に遅延が発生し、すぐ、スケジュール変更がなされます。
日本のベンダーはスケジュールを守るために残業したりリソースを追加したり、その他のあらゆる手段を使って、スケジュール遅延を起こさないようにする事が多いと思いますが、ベトナムのベンダーはそうではありません。
当初決めたものを遵守する事が難しい一方で、変更に対応する柔軟性は比較的高いと私は感じています。
また、これは別にベトナム人だけではなく日本以外の多くの国に見られる傾向ですが、ホワイトボックステスト、ブラックボックステストともに、全てのテストケースを網羅し、発生した不具合の分析をし、必要な品質強化をした上で、納品してくるようなケースは、海外のベンダーにはありません。
自分でテストケースを作るのも苦手なのか、顧客にテストケースと期待値を求めてくるケースも多々あります。
納品された開発物を受け入れテストをするとまずはエラーでこけるみたいな事も多々発生します。
③空気を読むのは苦手
これは日本の会社の悪いところだと思うのですが、日本の会社は結構あいまいな依頼や要求をしがちです。
たとえば、
✅XXを確認してください=>英語に直訳するとCheckだが、何をどんな観点でどのようなインプット資料に基づいて確認すれば良いのか外人にとっては不明。
✅趣旨=>趣旨って具体的には何なの?目的なのかやってほしい事なのか、丹単なる説明なのかわからん。。。
✅相談させてください=>何を?僕ら何を結局何をしたら良いの?
など、多々あります。
これはベトナム人だけではなく日本人以外に共通していえる事ですが、このような曖昧な依頼や要求は日本人以外にはほぼ通じないと思っておいてください。
欧米人はこのような依頼に何をしたら良いんだとはっきり言ってくる事が多いですが、東南アジア系の人は、結構YesやOKと言った割、結果、出来てなかったり、こちらの要求や期待値と異なる事は多々あります。
4.注意すべき3つのポイント
上記3のベトナムベンダーの特徴を踏まえてプロジェクトで注意すべきポイントは以下の3つです。
①ベンダーに提示するドキュメント(要件や依頼を含)はできるだけ詳細なものを提示する
ベトナム人だけでなく多くの国のベンダーにいえますが、基本的に日本と違って要件はクライアント(依頼者)が提示するのが普通です。
また、海外のベンダーはヒアリングしてもれなくシステムを作るというよりは言われたものを作るという傾向が強いので、要件はもれなく、かつ全てのパターンを網羅して詳細に提示しないと言われてない事は対応されなくなってしまいます。
また、依頼事項や要求等については、背景や目的をしっかりと示した上で、少しでもコミュニケーションギャップを少なくし、想定したものや作業と異なるものが出てくる事を防ぐようにする工夫が必要となります。
②都度、こまめにチェックや確認を行う
上記①の対応をできるだけ行っても、自分達の都合や事情にあわせてこちらの想定していない方向にずれていたり、優先度が変わっていたり、出てきたものが全然異なったりする事が多々ありますので、こまめに都度チェック、確認を行い、ずれが生じてないか、問題が発生してないかを確認する事が必要です。
③特徴を踏まえたフィージビリティのある対応をとる
上記①、②を行ってもそれでもスケジュールの遅延や日本品質をベトナムベンダーにゆだねる事はなかなか難しいし、文化の違いも大きく影響している部分もあるため、以下のような特徴を踏まえた対応をとっておく事が必要となります。
途中でスケジュール遅延や品質問題が発生し、計画が変更となった場合はトラブルとなりますが、最初から以下を踏まえた計画としていればそれはトラブルという扱いにはならないはずです。
✅ベトナムベンダーのスケジュール変更を踏まえた、余裕期間を持ったフィージビリティのある予算とスケジュールにしておく。
✅品質は問題が発生する事を想定し、上流工程での品質作り込みを極限まで求めるのではなく、テスト工程で討ち取る事を前提とした予算と計画にしておく。
今回はここまでとしたいと思います。
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