要件定義時に最低限必要な人材

1.要件定義は一番舵取りが難しいフェーズ
システムの開発工程において一番難しいフェーズは間違いなく要件定義です。
なぜかというと、以下の3つの理由があるからです。
(1)型にはめられるようなタスクが少ない
ビジネスの分析、要件のヒアリング、システム構成の検討、システムのグランドデザインの検討などのタスクは、進め方やドキュメント、方法論が固まっているものが極端に少なく、マニュアルや開発標準等に従ってできるものはほとんどありません。
したがって、誰もが迷い、ちょっとやり方を悩んだり試行錯誤している内に、スケジュールが遅れていきます。
(2)スコープ管理が難しい
要件定義は、要件のヒアリングや収集を行うフェーズなので、どうしても大量の多岐に渡る要件が出てきます。
プロジェクトの目標、予算内におさめる要件に最終的には収める必要がありますが、何を基準にどのような方針・ルールに則って要件を取捨選択していくのか?またソリューションによっても予算が大きく異なるので、要件を実現するための最適なソリューションを提示できるかにもかかってくるので、何をスコープに入れて、何をスコープから外すのかが非常に難しいです。
(3)関係者調整が困難
要件のオーナーにはいろんな人がおり、部署や立場が異なる人も多く、多岐に渡ります。
これらの考え方が異なる人達を対象に問題の解決や調整を図っていく事は非常に困難を極めます。関係者が一番多いのが要件定義フェーズですので、本フェーズは非常に成功する事が難しいのです。
要件定義が失敗するとリカバリは非常に困難です。また要件定義の失敗はプロジェクトの失敗にダイレクトに直結します。
2.要件定義で最低限必要な3つの人材
(1)トータルコーディネーター
プロジェクトの舵取りをする人です、時に計画、時に判断、時に調整を行いながら、プロジェクトの道筋を決めて推進していく人です。
プロジェクトにおいてはこれをPMがやるのが最も一般的だと思います。
プロジェクトマネジメント能力に加えて、思考力、判断力、交渉力、調整力、危機管理能力、リーダーシップと必要な能力は多岐に渡ります。
(2)ビジネスアナリスト
顧客のビジネスや既存システムを分析し、新たなシステムを業務面、機能面から構想する人です。
顧客業界やビジネスに対する造形の深さに加えて、分析力、ヒアリング能力、ドキュメンテーション能力、プレゼン能力、システムに関する知識と経験が必要となります。
(3)アーキテクト
ビジネス要求に従い、非機能要件を整理し、インフラ、アプリ基盤両方の側面から要件を満たすシステム構成と方式を定める人です。
インフラ、アプリ基盤に対する造形の深さに加えて、顧客調整力、ヒアリング能力、ドキュメンテーション能力、プレゼン能力等、こちらも多岐に渡るスキルが必要となります。
今回はここまでとしたいと思います。
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